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教室の沿革

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教室の沿革

歴史と沿革

徳島大学医学部は、四国唯一の医学校として1943(昭和18)年に設立された旧制徳島医学専門学校を前身とします。徳島医科大学を経て、1949(昭和24)年に新制大学への移行に際して徳島大学に包括され、医学部となりました。その際、当科の前身である第一内科と第二内科が開講しました。徳島大学医学部は7000名近い医師を輩出し、臨床および基礎医学、医療行政などの幅広い分野で活躍しています。循環器内科分野においても、多くの卒業生が診療の第一線に従事しています。平成16年、大学院医学、栄養学、保健学、歯学、薬学研究科が統合され、大学院医歯薬学研究部が設立されました。当科は、旧第一内科および旧第二内科の循環器グループから再編され、2007年7月に設置されました。そして2008年4月に佐田政隆教授が初代教授として就任し現在に至っております。「すべてのことに積極的に取り組む」という佐田教授の方針のもと、診療、研究、教育すべてに教室員一同が前向きに取り組んでいます。

臨床活動

当科は臨床系の教室として、まず臨床業務ありきという姿勢で循環器疾患全般の専門的診断・治療に取り組んでいます。心臓超音波、心臓電気生理検査、心臓カテーテル検査などの各種検査はもちろん、専門治療として冠動脈形成術、急性冠症候群の救急治療、カテーテルアブレーション、ペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)植え込み、心臓再同期療法、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)、末梢閉塞性動脈疾患に対する遺伝子治療による血管新生治療などを幅広く行っています。最高水準の循環器診療を提供すべく、虚血性疾患、不整脈、心不全などの症例を積極的に受入れ、新技術の導入も迅速に行っています。平成19年診療科新設以降、各検査・治療とも、症例数は急速に増加しています。

研究活動

佐田教授は、動脈硬化性疾患の成因と治療法の開発を長年のテーマとしています。特に、血管形成術後の再狭窄や粥状動脈の成因に関する遺伝子改変マウスを用いた研究は世界的に高く評価され、モデルを用いて得られた知見を、臨床における病態解明や治療法、イメージング技術の開発に展開しようと研究を継続しています。心血管系の再生医療にもユニークなアプローチを行っています。低分子化合物を用いて虚血臓器における増殖因子発現を誘導し血管新生を促進する方法は、より患者に負担の少ない方法として期待されています。ブタで良好な結果を得ており、現在臨床試験に向けて準備を進めています。また、最新の材料工学や幹細胞技術を駆使して、冠動脈バイパス手術に応用可能な小口径バイオ人工血管の開発を行っています。 また、それ以外にも様々な形で基礎から臨床まで多岐にわたる研究を展開しています。基礎的アプローチの研究としては、グルココルチコイド過剰による血管内皮機能障害の分子機構を解明し、グルココルチコイド誘発性高血圧症やステロイド性大腿骨頭壊死症の予防法への応用を検討しています。また、新規MAP kinase familyであるERK5が血管内皮細胞機能を制御するメカニズムについて検討しています。トランスレーショナルアプローチの研究としては、グレリンやC型ナトリウム利尿ペプチドなどの生理活性ペプチドを用いた新しい心臓病治療法を開発すべく、ラットの病態モデル(心筋梗塞、心筋炎など)を用いた基礎的検討並びにヒトへの応用を目指した臨床研究(グレリン投与後の自律神経活動評価等)を行っています。また、エリスロポエチンの血管内前駆細胞動員作用を用いた新たな血管再生治療に関して、心臓血管外科との共同研究を行い、虚血改善効果を認めました。さらに、ピタバスタチンがアンジオテンシIIを投与されたeNOSノックアウトマウスにおいて、心血管リモデリングと腎障害を酸化ストレス、TGF-β/Smad経路を介して抑制することを明らかにしました。

臨床的アプローチの研究としては、虚血性心疾患部門として、急性心筋梗塞再灌流後の冠循環動態に関する病態生理学的研究、虚血再灌流心筋の機能改善・保護に関する研究、冠動脈ステント植え込み後の冠内皮機能に関する研究、冠動脈ステント植え込み後の局所炎症性に関する研究、冠動脈ステント植え込み後の局所凝固線溶系に関する研究、IB-IVUS等を用いた冠動脈プラーク性状の推移に関する研究などを行っています。心音・心エコー部門では、ドプラ法による僧帽弁口および肺静脈血流速波形、組織ドプラ法による左室壁あるいは僧帽弁輪運動速波形、組織トラッキング法で得られる左房容積曲線などを用い、各種心疾患における左房―左室連関、壁運動―血流関係の検討を行っています。不整脈部門では、ブルガダ症候群の遺伝子異常に関する研究等を行っています。その他に、各種心筋疾患における心筋性状評価に関する心臓MRIの有用性についても検討を行っており、筋ジストロフィー症例において特徴的な所見を有することを見いだしております。

これら研究グループの詳細については別でもまとめていますので,是非ご覧になってください.

おわりに

このように当科では臨床業務と臨床研究、基礎研究が共存できるシステムづくりを目指しています。臨床で抱くテーマを基礎的に研究し、そこから得られた知見を次世代の診断、治療技術へ確立していくトランスレーショナル研究を推進しています。そして世界に情報を発信すべく教室員一同日夜研鑽を積んでおります。



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